美味しくなくても客が来るパン屋のマーケティングの手法

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たぬきんぐですじゃ。

1年半ほど前に近所にパン屋ができました。開店直後は店の前に長蛇の列で並んでも買えないレベルの客の数でした。

1か月ほどたつと客がまばらになってきて買いに行ってみたのですが、その味が衝撃的・・・!!

「そりゃあ客は減るだろう」と思っていたのですが、ある一定ラインから減らないんですね。むしろ盛り返しています。

潰れるはずの彼らの店がなぜやっていけるのか。彼らのマーケティングの手法は一流そのものだったのです。

実際にパン屋で買ってみた

開店1か月後と1年後の2回、購入してみました。

開店1か月後

オープン前から話題のパン屋だったため、食べてみたいと夫婦で話していたのですが、なかなか長蛇の列に並ぶ余裕もなく。

実際に買いに行ったのは列が見られなくなった開店1か月後でした。

昼前に店に入るたぬき、設備は充実していて店はきれいです。

そしてパンを見て悩みます。

「おいしそうなパンがない・・・。」

究極の〇〇とか至高の〇〇みたいな「美味しんぼ」的センスの名前の付いたパンや各種総菜パンが並んでいるのですが。

美味しいパン屋にいくといつもどれを選ぶか悩むのですが、逆の意味でどれを買って帰るか悩みます。見た目はコンビニのパンより少しマシな程度でしょうか。

つやのないクロワッサンやしなびたカレーパン等、食欲のわかないパンが並んでいます。

「でも、買って帰るって言ったし、見た目があれなだけでおいしいかもしれないし・・・。」と消極的な理由ながら6つほどパンを買って帰ります。

自宅にて、

たぬき「あ、やっぱりおいしくない・・・。」

たぬき妻「ショック。これはひどい。」

たぬき娘「もう食べられないよー(泣)」

もうすぐ潰れるだろうと予想しながら捨てるのはもったいないので頑張って食べたのでした。

開店1年後

予想外に1年潰れなかったので美味しくなったのかもしれない、もう1度チャレンジしてみようと怖いもの見たさ半分で行ってみました。

少し離れたところにに1件美味しいパン屋が新しくできたためか、値段は美味しいパン屋と比べるとお手頃な値段に下げてありました。

見た目は変わらないため嫌な予感がしつつ、サンドイッチや総菜パンを買って帰るたぬき。

マスタードが一か所に固まっててそこだけ辛い

とか

素材がスーパーの加工品と同じ

とか

いろいろツッコミどころ満載でした。

とはいえスーパーのパンには劣りますがコンビニの菓子パンと比べると少し上といったところでしょう。値段はスーパーのパン屋と同程度か少し安いくらいです。

なぜ客が来るのか

ここまでくるとなぜ客が来るのか不思議で仕方ありません。

というわけで近所の美味しいパン屋より客が来る理由がどこにあるのか調べてみることにしました。

店構えが立派

本当は写真を載せたいところなのですが、内容が内容なので載せません(汗)

広い駐車場の向こうに立派な洋風のお店が立っている様子を想像してみてください。

いかにもおいしい店という雰囲気がありますし、前を通るたびに気になる(けれども上品)な店構えになっています。

本格的パン

「本格的欧風パン屋だ・・・」と勘違いさせるには十分です。商店街のパン屋とはおしゃれさが違います。

立地がいい

「交通量が多く、近くに会社もあり昼間は会社員も多い住宅地」という人が多い場所に店があります。さらに近くにデパートがあるためデパートの買い物客の集客も見込めます。

さらにデパートの駐車場から歩ける距離にあるという絶妙な立地にあるため、パン屋の駐車場が埋まっても安泰です。

人口増加中の地域だということもプラスに働いています。美味しいパン屋でも住宅街の中にひっそり隠れているとなかなか知る機会がないですからね。

店舗が広い

店の奥には大きな喫茶スペースがあります。

コーヒー

上記の「立地がいい」と重なるのですが、近隣にドトールやスタバのような喫茶店が少ないことが幸いし近隣の喫茶店不足を補っています。

コーヒーやケーキ等の喫茶店メニューは充実しており、そこそこの値段です。

喫茶店に行く動機として、「どうしてもおいしいパンが食べたい」というものはほぼ考えられません。

ママ友とお話をするとか、コーヒーを飲みながらレポートを読みたいといった「味以外の動機」がほとんどでしょう。

料理を作る必要がなく、ほとんど接客の必要がないため喫茶スペースの人件費はかなり抑えることができます。

パンを袋で持って帰る人はほとんど見たことがありませんが、喫茶店の中にはいつも人がいます。

喫茶店付きのパン屋ではなく、パンも売ってる喫茶店だと考えれば、場末の喫茶店よりは明らかに客が入っています。「レトルトのカレーだ」などと言われる心配もありません。(カレーパンのカレーはレトルトだと思うけど

普通の個人の喫茶店だとチェーン店との差別化のためにコーヒーの味で勝負する必要がありますが、「コーヒーが飲めるパン屋」ならコーヒーの質で勝負する必要がありません。

スタバにコーヒーの味で負けていても、パンの数で勝っていればいいわけです。

広告の出し方がうまい

広告の例

そもそも開店直後に列ができる時点で広告には成功しています。

リピーターが全くつかなかったため一時期閑古鳥が鳴いていましたが、フェイスブックによる広告やラジオ広告など積極的な広告活動を行っています。

ラジオに出演すると、「おいしい店だから番組に呼ばれた」のだと勘違いする方が多く、中高年の方への宣伝効果は絶大です。

また、フェイスブックでの広告は値段も安いためOLの集客には非常に有効だったと考えられます。

近隣のパン屋がフリーペーパーでの宣伝に終始していることを考えると、広告の使い方には圧倒的な差があります。

たぬきの考えとまとめ

・・・見破れなかったのじゃ。潰れると思ったのじゃ。

恐らくこのパン屋のオーナーは「自分のパンがおいしくない」ことを理解したうえで開店したのだと考えられます。

パンの販売、生産スペースをギリギリまで切り詰め、飲食スペースを充実させることで喫茶店として成功しています。パンはどうせ売れないので生産スペースは最低限でいいし、味で勝負するわけではないので熟練の職人を多数用意する必要もありません。

「ハンバーガー屋がコーラとポテトで利益を出すんなら、パン屋もコーヒーで儲けるべき」という考え方で店舗を作ったのかもしれません。まったくもってけしからん。

さらに比較的安価なラジオ広告を使い、近隣のパン屋との違いを生み出しています。「ラジオに出た人気店」と「一介のパン屋」の間には埋めがたい差があります。ブランディングには成功したと言っていいでしょう。

巨大チェーン店ではなく、味が悪い店でもマーケティングによってやっていけるというお話でした。

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