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日本は衰退している。不景気なわけではない。

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たぬきんぐですじゃ。

 

私が若いころ、日本は世界二位の経済大国でした。いや・・・経済などと接頭語を付ける必要もない紛れもない大国だったのですじゃ。

今はどうでしょうか。テレビや新聞のニュースを見ていても【景気の回復】だとか【不景気】という言葉ばかりで実態が見えてきませんな。現実はいったいどうなのでしょうか。

一人当たりGDP(国内総生産)をグラフで比較してみる

今回の記事作成にあたって、GDPの数値はIMF(国際通貨基金)を元にサイトを作成されている「世界経済のネタ帳」様から引用させていただきました。

いきなりですがグラフを見てみましょう。理論を語るよりデータを見る方が伝わりやすいと思いますのでのぅ。

日本の他にご近所の国と地域(オーストラリア、シンガポール、中国、韓国、台湾、マレーシア)のデータを使用して比較しております。使用した年度は1980年~2015年までの5年おきのデータですじゃ。

白が日本、オレンジが韓国赤が中国ピンクが台湾黄色がマレーシア緑がシンガポール青がオーストラリアです。

日本以外の6か国が右肩上がりなのに対して、日本は1995年頃から全く成長がありません。日本の中だけで比較すると好景気や不景気と言える時期もありますが、他国の成長ペースについていけていないように見えますな。

・・・正直言ってグラフを作るまで、これほどひどいとは思っておりませんでしたぞ。

日本がかつて裕福だったころの話

データの分析は少し置いておいて昔話を。

今の若者はピンとこないかもしれませんが、1990年代頃の日本は非常に豊かだったのですじゃ。それ以前からアジアでは断トツに豊かな国だったのですが・・・1990年頃は豊かさもピークを迎え始め、庶民にとって海外旅行も手の届くものになっていったのじゃ。

日本製のカメラを持って観光地で記念写真を撮る日本人のツアーはヨーロッパやアメリカ各地で見られました。免税店での爆買いも当時は日本人が行っていたものです。世界中のどこに行っても日本より物価が安かった時代もあったのですじゃ。

例えばソニーのウォークマンは音楽の世界を変えたと言えるでしょうなぁ。現代で言えばスマホを日本が開発するような、(規模は違いますが)そういう時代だったのですじゃ。

SONY ウォークマンAシリーズ 2017年モデル

日本の社会の教科書では「万元戸」などという言葉も習いましたのぅ。

「ド貧乏な中国にも最近はほんの少しだけお金を持ってる人がいて、万元戸って言うんだよ。」みたいな授業が日本全国で行われていたそうな。ちなみに現在は年収1万元以上は当たり前なので死語になっているそうですじゃ。

もう一度グラフに戻って説明する

一応今回選んだ6か国には理由があります。

日本の衰退の一つに電化製品が売れなくなったことが挙げられますが、シェアを奪った韓国中国は比較しておくべきですじゃ。

「市場を韓国と中国が奪ったのか」みたいなミクロな話になると困るので、市場の奪い合いと関係なさそうで裕福な近い国としてオーストラリアシンガポールをチョイス。

さらに「他の国は大抵右肩上がりである」という現実を確認するためにアジアで比較的裕福なマレーシアと台湾を選んでおきました。今回選ばなかった貧乏な国も多くは右肩上がりのグラフになりますが、同一グラフ内で見やすくするためあまり貧乏な国は選んでおりません。

 

日本は下がってるわけじゃないからOKと勘違いする方もいますが、他が上昇しているのに日本だけそのままということは相対的に衰えているということですぞ。

韓国は・・・韓国はコケるかも!という意見も聞きますが、韓国だけがコケたところで日本の状況があまり変わらないことはグラフを見れば一目瞭然です。

GDPが下がると優秀な人材が外国に流出する



日本は圧倒的に文系社会であり技術者の地位が低い国なので、当然優秀な技術者は外資系企業に引き抜かれます。日本のほうが裕福なうちは簡単に引き抜かれなかったのですが、海外のほうが給料も高いとなると当然ですな。昔のように終身雇用の安心感もありませんしのぅ。

医師の世界でも語学堪能で優秀な者が一度欧米に行ってしまうとなかなか帰ってこず、そのまま現地に住み着くパターンも多いものじゃ。高い技術があれば評価される国と、出身大学や派閥、教授への貢献でしか評価されない国ではやりがいが違います。給与も国によっては3~5倍くらい違いますしのぅ。

日本はこれからさらに衰退するのか

新しい社会を引っ張るのは若者です。しかし日本は世界で一番高齢化率が高い国です。一方出生率は世界でも最低クラスです。この状況は今後5年や10年で悪化することはあっても改善することはありません。

つまり若者が減り老人が増える時代になることはほぼ約束されているのですじゃ。「今のまま変わらない社会が日本らしくていい」と考えている人は考えを変える必要があるでしょう。変わるか、衰えるか。選択肢は二つしかないのですぞ。

優秀な若者が増えれば、きっと衰退は止まるはずですじゃ。

出生率は上げなくてはならない




先進国の中でもフランス等は出生率の改善に成功しております。スウェーデンなども高い。両国とも労働者が出稼ぎに来やすい国である上、出生率も高いため今後も安泰と言えるでしょうな。

日本の出生率が低いのは女性の社会進出によるものと勘違いしがちですが、違います。それでは男女平等化が日本より進んでいるヨーロッパのほうが出生率が高いことの説明がつきません。

出産の大切さを語った校長がクビになったニュースがありました。日本では出生率の話を出すこと自体タブーのようですが、女性の社会進出と出生率を両立する社会づくりが重要なのは他の先進国を見れば明らかですじゃ。

欧米では出産とキャリアを両立しやすい社会づくりが進んでいる。一方日本は産後の社会復帰の体制がお粗末なため出産とキャリアが二者択一になりやすい。そのため出産を勧めるとキャリアを捨てるよう強要しているように映ってしまうし、実際に優秀な人材が復帰できなくなるケースも多いのですじゃ。

教育は抜本的に変えなければならない

先進国の子供がプログラミングや英語などを学んでいる時間。日本人は笛を吹き、行進の練習や運動会のピラミッドづくりに夢中になっております。

いくら日本人が優秀でもこんなハンデ戦で勝てるわけがありません。今の時代、リコーダーや五段ピラミッドより大切なものは山ほどあります。

たぬきの考えとまとめ

日本がピンチであることはGDPのグラフから伝わったじゃろうかのぅ。「失業率が低いから景気は良くなっている」などと言うニュースは出生率人口分布などから考えれば的外れですじゃ。社会の高齢化のためこれから若い働き手が足りなくなるという視点が完全に抜けております。

 

ただ、ここまで書いておいてなんですが私はそこまで悲観はしておりません。今の若者は意外と優秀。彼らが社会の中心になったころ、きっと日本は好転し始めるはずですじゃ。

 

日本の衰退は学校の質の低さと無関係ではありませんぞ。

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