鳥刺しを食べるリスクと健康被害

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たぬきんぐですじゃ。

牛レバーや豚の生食が法律で禁止されて久しいですが、鳥に関しては特にお咎めなしの状態が続いております。

2016年には肉フェスというイベントで500人以上の食中毒患者を出した鶏の生食。

鳥の生食による健康被害について解説しますぞ。

関連記事:鹿児島ではなぜ鳥刺しの食中毒が少ないのか プロの技を聞いた

鳥の生肉による食中毒

鶏肉

鳥の生食で一番問題になるのはカンピロバクターという細菌ですじゃ。他にもサルモネラ菌などもありますが、ここではメインとなるカンピロバクターについて解説していきますぞ。

カンピロバクター感染症とは

症状の中心は腹痛や嘔吐、下痢などのいわゆる食中毒症状です。生肉を食べてから2~3日後に出ることが多く、忘れたころに症状が出てくると言えるでしょう。ちなみにカンピロバクター感染症の9割ほどは鶏肉が原因と考えられております。

食中毒症状だけではなく、0.1%程度の人がギラン・バレー症候群やフィッシャー症候群といった病気を発症すると言われており問題になっております。

ギラン・バレー症候群とは

ギラン・バレー症候群というのは筋肉を動かす神経が障害され、力が入らなくなる病気です。重症の場合は呼吸をする筋肉も障害され、長期間人工呼吸器が必要になることもある厳しい病気ですじゃ。

予後は悪くないと書いている記事も見ますが、それでも3~5%程度は死亡するというデータもあります。「ひどい症状の割には回復する」という意味で考えたほうがいいでしょう。

(医療記事の「予後が悪くない」というのは「もう治る見込みがないし、死ぬまで悪化していくだけ。」という状態ではないというだけで

「すぐ治るよ、よかったね!」という意味ではないです。)

安全な鶏肉とは?

まず、厚生労働省は鶏肉の生肉の安全基準というようなものは作っておりません。

(ただし鹿児島や宮崎には独自の生食用衛生基準があります。)

禁止はしていないが、衛生基準も作っていない・・・。

非常に微妙な状態ですが、「だってなんでもかんでも禁止するわけにいかないじゃない」ということのようです。

食中毒のリスクがあるものについて一律に法的規制をするのではなく、その
リスクの大きさによって様々な対応を検討することが必要である
–食肉等の生食に関する調査会 から引用

このことが勘違いを招いているようです。

つまり「禁止していない」ということは、新鮮なものは大丈夫。

というふうに勘違いする人がとても多いと聞いております。

ほとんどの鶏肉は加熱用

2016年には肉フェスというイベントで「鶏ささみ寿司」を食べた500人以上が集団感染したというニュースもありました。イベントだから大丈夫だと思ったら大間違いです。

鶏肉は全て加熱用であり、厚生労働省も注意喚起をしている1という事実は、一般人にまでは浸透しておりません。

一般的な解体方法では内臓から菌が出る状態で水の中で洗うため、どうしても菌がついてしまいます。

手間暇をかけて解体すれば汚染しにくくなりますが、お役所は全国的なガイドライン的なものを作っていません。

腐った肉じゃなければOKというわけでもなく、とれたて新鮮だからOKというわけでもないのです。

焼けば安全

もちろん加熱用を加熱して食べれば大丈夫です。目安は75°Cで1分、しっかり加熱する必要があるようです。

ただし冷凍状態の鶏肉だと、中が半生になっていたりするので注意が必要です。軽くあぶる程度ではダメですぞ。

焼き鳥屋でも冷凍庫から出してきたばかりの肉を焼いている場合

外はカリカリ、中は半ナマ

ということがごくまれにあります。怪しい店は時々ありますのでご注意を。

生の鶏肉を出す店は他のメニューも要注意

鳥の生肉を当たり前のように客に出せる店というのは衛生管理についての知識が足りない場合が多いです。

法律にこそなっていませんが、厚労省の注意喚起を知らない(あるいは無視)するレベルの店であることを知っておくべきです。

汚染されたまな板でそのままサラダを切るなどの危険行為もあります。最悪サラダしか食べていないのに感染するという可能性もあります。

特に小さなお子様や老人と一緒にそういう店で食べるときは注意するに越したことはないですぞ。

補足:鹿児島の事情(2018年6月更新)

鹿児島の早水鶏肉店様から情報をいただきました。

内臓に触れない処理方法で、無菌的に精肉して保健所でもチェックしてもらっているそうです。

手間のかかる方法で食中毒を減らす努力、頭が下がります。

こういった努力は鹿児島や宮崎など一部の地域で見られるようです。

確かに鹿児島では鳥刺しをよく食べるわりに食中毒が少ないので、こういった方法は有効なのでしょう。

どの鳥刺し店が安全か見極めるのは難しいですが・・・。ユッケのように許可制にすればいいのかもしれませんのぅ。

たぬきの意見とまとめ

まず、安全性を考えるとスーパーで鳥の生肉を買ってそのままレジ横でパックを開けてそのまま食べるというのは完全にアウトですじゃ。・・・想像しただけでもゾッとしますじゃ・・・。

じゃあそれを持って帰っておしゃれなお皿に乗せればOKかというと、もちろんアウトですじゃ。

ではおしゃれな居酒屋でおしゃれなお皿に乗っていればOKかというと、それも普通に考えたらアウトですじゃ。

ただし、危ないと知っていてもどうしてもうまいものを食いたいという考えはごもっともですじゃ。食中毒のリスクを考えたうえで、どうしてもおいしいから食べたいと思う店が見つかったのならそれはそれで幸せなことでしょうな。

健康関連の記事は定期的に更新しています。一応たぬきんぐはお医者さんですぞ。

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コメント

  1. 早水一茂 より:

    早水鶏肉店と言う鶏刺し専門店の者です。
    仰るように一般的な処理で菌と分離は難しいのですが、手間のかかる『外はぎ』処理を
    すれば菌が付着せず生食しても大丈夫です。
    当店は外はぎ処理して、食肉を取るまで一切内臓は触りません。
    仰るように 新鮮=安全 ではありません。
    当店は鹿児島県の保健所の指導要領に沿って定期的な立ち入り検査や、鶏肉
    そのものの菌の付着(培養)検査を受けて販売許可(陰性)となっていますが、
    流通の過程で衛生的でない飲食店の無責任さに振り回される結果となり悲しい
    想いをしております。
    お役所は簡単に危機意識を煽り、なんでも安易に禁止して民衆を守るとの建前に
    自分達の立場を守ろうとします。
    包丁で人を殺したら包丁を禁止するようなバカげた話は無いと思います。
    現代社会ですから、ちゃんとした処理ガイドラインを作り、調理者もフグの様に
    許認可制を入れるなど、食文化の保全を考えてほしいと考えています。
    魚介類の刺身で食中毒が出たら刺身まで禁止にするバカはいないと思います。

    • Tanuking より:

      精肉の専門家様の貴重なご意見ありがとうございます!

      一切内臓に触らない処理方法があって、実際に行っておられると。
      こういった処理をルールにしていただければ、安心して食べられるようになりそうですね。
      鹿児島が食べる量の割に食中毒が少ないのはそういった努力のおかげなのでしょうね。

      現状は恐らく早水さんのように手間のかかる処理をやっていないところが多いのでしょう。
      フグのように処理方法に気を付ければ、安心して食べられるようになりそうです。

      非常に建設的な意見、ありがとうございます!