加湿器はレジオネラ肺炎の危険性あり。リスク軽減方法

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たぬきんぐですじゃ。

乾燥する時期になると加湿器を使う家庭は多いですが、加湿器が肺炎を起こすリスクはあまり知られていません。

加湿器による肺炎の中でも致死率の高い恐ろしい肺炎がレジオネラ肺炎です。国内の死亡例もあるので、しくみを理解しておきましょう。加湿器選びの参考にしていただければと思います。

レジオネラ肺炎とは

どんな菌なのか

レジオネラ肺炎というのはレジオネラ(Legionella Pneumophila)という細菌による感染症です。レジオネラ菌は土の中や水中によくいる菌です。

水の中によくいるため、温泉や貯水池など殺菌されていない水の中には普通に住んでいます。かといって触ってうつることもありませんし、人から人にうつることもありません。

ちなみにレジオネラという物々しい名前はアメリカの軍人(Legionnaire)が集団感染したことで見つかった肺炎であることに由来しています。

どうやって肺炎になるのか 感染経路

レジオネラは空調設備や入浴施設などで発生するエアロゾルを吸い込むことによって感染します。

エアロゾルというのは、霧とか湯気みたいなものです。(厳密には違うのかもしれませんが)。その湯気の水滴にコッソリ潜んでいるレジオネラ菌が空気と一緒に肺の中に入ってきてしまうんですね。

菌が含まれている湯気肺から取り込むことで感染すると理解しておけばいいと思います。(汚い水を飲もうとしてむせて肺に入った場合など、他の感染ルートもゼロではありません。)

逆に言えばエアロゾルを出さないようにするか、エアロゾルの中に菌が含まれていないようにすれば感染を防げるということです。

レジオネラ肺炎の実例

2003年の文献(中村博幸, et al. “循環式給湯方式公衆浴場が原因と考えられた本邦で最大のレジオネラ症の集団発生―肺炎型の臨床所見―.” 日呼吸会誌 41.5 (2003): 325-30.)では公衆浴場で45人が感染し3人が死亡しています。

適切な抗菌薬による治療を受けても5~10%の人が亡くなります。未治療の場合は60~70%の人が亡くなると言われています。

ほぼ24時間営業の温泉でも清掃の時間が必要なのは、このレジオネラが恐ろしいからと言っていいでしょう。

ちなみに現在でもほぼ毎年国内でも死者が出ています。

加湿器でレジオネラに感染したケース

家庭用加湿器が原因と推定され, 重症呼吸不全を呈して死亡したレジオネラ肺炎の 1 例

という論文が2009年に発表されています。

遠藤啓一; 伊藤一寿. 家庭用加湿器が原因と推定され, 重症呼吸不全を呈して死亡したレジオネラ肺炎の 1 例. 日本呼吸器学会雑誌, 2009, 47: 388-92.

これは担当医がレジオネラに気づいて治療し、さらに発表したから世の中に知られているだけで、実際には同様のケースはもっとあると思います。

”推定される”と言っているのは患者と加湿器から同じDNAのレジオネラが出てきたことによる表現で、ほとんど間違いないと言っていいでしょう。

加湿器からの感染を予防するには



リスクをゼロにする方法は難しいですが、仕組みを理解することで限りなくゼロに近づけることは可能です。加湿器と一言で言っても大雑把に加熱式と超音波式があります。それぞれに分けて対策を考えましょう。

たぬきは電気屋さんじゃないので、加湿器のハイブリッドなど細かい分類はご了承ください。

加熱式の加湿器の場合

加熱式の加湿器はかなりリスクは低いです。電気代は高いですが。

レジオネラ菌は熱に弱く、60度を5分間で殺菌できます。そのため蒸気の出口付近清潔ならかなり安全だと考えられます。

もちろん出口付近で菌がついてしまってはいけないので清潔にする必要があります。

超音波式加湿器の場合

超音波式加湿器にはレジオネラの報告が散見されます。こちらの方が圧倒的にリスクが高いです。

清潔にはかなり気を付けないと危ないと言っていいでしょう。お風呂の場合は2日でレジオネラが増えると言われています。

最低限毎日洗うべきでしょう。

CDC(アメリカ疾病管理予防センター)の院内感染対策のガイドラインによると、

殺菌・洗浄・乾燥などのステップを経て滅菌したのち滅菌水を補充するべきです。井戸水などを使ってはいけません。

え、面倒くさい?

”医学的メリットが明らかじゃないのに肺炎リスクが高いから超音波式加湿器は使うべきではない”といったことをCDCは言っています。意訳じゃなく原文が読みたいという方は少し古いガイドラインですが読んでみてください。

ちなみに洗浄液を入れたまま加湿器を稼働させてしまうと化学物質による肺炎を起こしますので、絶対に操作を間違ってはいけません。

たぬきの考えとまとめ

実際の症状には触れませんでしたが、死亡率からレジオネラが恐ろしい病気であることは伝わったでしょうか。

レジオネラの発症は大衆浴場が多いですが、特定されていないものも多く、加湿器によるものはそれなりの人数になるのではないかと予想しています。先日中国で加湿器によるレジオネラがニュースになっていましたが、対岸の火事ではありません。もちろん欧米でも起こっています。

レジオネラを予防したければ加湿器は加熱式のものがおすすめです。超音波式を使う場合は最低限毎日丁寧に掃除をするべきです。

もちろん電気代が全然違うので超音波式のほうが経済的です。滅多にかからない病気を重視するか、値段を重視するか。その辺りは個人の判断というところでしょう。

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