健康

歯科医院での治療で感染症にかかるリスク

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たぬきんぐですじゃ。

 

歯科で感染症にかかる可能性があるというニュースを先日見ましたのじゃ。調べてみると過去にもたくさんありましたぞ。ガーディアン紙の記事(外部リンク)によりますと12000人がHIVや肝炎の感染リスクにさらされたというニュースもあったようです。

 

というわけで、歯医者と感染症の話をしますぞ。

 

うつる可能性のある感染症

基本的にはどんな病気もうつる可能性があります。特にうつる可能性、かかった時の重症度などを考えると、HIV、肝炎ウイルス、淋病クラミジアなどの性感染症に気を付けなければなりません。

 

他にもHTLV等の上記より少しマイナーな感染症、狂牛病(クロイツフェルト・ヤコブ病)、極端な例ではエボラ出血熱などもうつりますが、確率が低いものは説明を割愛します。

HIVウイルス

ヒト免疫不全ウイルスとも呼ばれます。初期症状はわずかで、その後長期間の潜伏期間を経てAIDSと呼ばれる症状を起こします。

いわゆるエイズです。

未治療の場合免疫が弱くなることにより、普通ならかからないような他の病気にかかり重症化、死亡に至ることになります。

 

現在では薬のおかげもあり平均寿命は大幅に伸びていますが、完治は困難です。

治療薬があるので早期発見が望ましいですが、感染初期は検査しても陰性になることがあるため、感染の機会から3か月以上たってからの検査が確実性が高いとされています。

感染経路不明のHIV患者は毎年発生します。外国では歯科で特定されたHIVもありますので、日本だけは絶対安全と考えるのは軽率です。

肝炎ウイルス

B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスといったウイルスによって伝染する可能性があります。

 

B型肝炎ウイルスはワクチンがありますが、C型は今のところありません。

すごくおおざっぱに説明すると、肝硬変や肝臓がんになりやすくなるウイルスです。他にも劇症肝炎などの怖い病気になる可能性もあります。

淋病・クラミジア

一般的には性器の病気としてしられており、性交渉でのみうつると思われていますが、喉にもうつります。咽頭淋病とか咽頭クラミジアと言います。

症状は激しくないので、気づかず放置されているケースも多いようです。キスなど唾液を介して感染することもあると考えられています。淋病は日本に多いので、抗生剤の効きにくい淋病も徐々に増えていると聞きます。

梅毒



過去の病気と思われていた梅毒は、最近急激に増えていると報告されています。簡単にうつるようです。抗生剤治療をしっかりすれば治りますが、放置するといろいろと症状が出てきます。

感染防止について

CDC(アメリカ疾病管理予防センター)によるガイドラインを参照しています。

CDCへのリンクはこちらです。(英語)

 

いろいろ書いていますが、防止について特に重要なのは

手袋やゴーグルなどで正しく防護する

道具を正しく滅菌する

清潔な環境にする

の3点です。(手洗い等は当たり前でしょう)

手袋やゴーグルなどで正しく防護する

上の写真の歯科医の方々は手袋やゴーグルなどで正しく防護しています。歯科医自身の感染防護も重要ですし、歯科医経由で感染が拡大するのを防ぐことも重要です。

しかし、国内の歯科医師の約半分は正しく使用していません。

(参考:厚生労働省の研究「歯科ユニット給水システム純水化装置の開発に関する研究」における歯科医師に対するアンケート)

 

日本ではHIV感染のリスクが低かったため、医師や歯科医師の感染対策の勉強は遅れがちです。

 

道具を正しく滅菌する



滅菌・消毒・殺菌など似たような響きの言葉がありますが、滅菌が一番強力です。

さて、先ほどの厚生労働省の研究では、滅菌を行っている歯科医院は6割程度のようです。

(アンケートは回答者700人、未回答者300人でしたが、回答者のほうがこういった問題に興味を持っている可能性が高いので、実際にはもうちょっと低いと考えられます。)

滅菌を正しい手順、道具を使ってできているかというところまで見ると恐らく実際はもう少し低くなるでしょう。

 

用語を簡単に説明すると

 

滅菌:ほぼゼロまで菌を減らす(完全なゼロは難しいので、10-6より少ない確率を目指す)

消毒:いたら困る菌などを困らない程度に減らす

殺菌:菌をやっつけること

 

例えば注射をするときにアルコールで拭くのは「消毒」であり滅菌ではありません。滅菌はもっと強いものです。

 

正しく「滅菌」を行った道具を使うことで、患者→道具→患者というルートで感染がおこることを防ぐことができます。

清潔な環境

当たり前ですが、座席やうがい用のコップなどが清潔かどうかは大事です。このあたりに血が付いたままだったりするのはかなり嫌ですね。

コップはきれいなディスポーザブルのものが望ましいでしょう。

 

使い捨てがもったいないと思ったらいけません。病気がうつったらいろいろなものが失われます。

たぬきの考える安全な歯科の見分け方

感染対策がパーフェクトかどうかを確認するのは非常に困難です。

判断するのは難しいですが、ある程度の判断の材料は以下のようなものになると考えます。

 

(「滅菌方法が常にパーフェクトかどうか」判断するのは非常に難しいです。滅菌についてのスペシャリストである「第一種滅菌技師」という資格を持っている人は昨年の時点で全国で341人というレア資格です。素人が見てわかるものではありません。)

手袋の使い方

まず手袋しないで口に手を突っ込むのはアウト。口腔内が感染源という意識が完全に欠如しています。

手袋をアルコール除菌で使いまわしているのもアウトです。アルコール除菌してもうつります。

そもそもカンジダやノロウイルスにはアルコールは効きません。

手袋は基本的に使い捨てです。

他人に使った手袋をそのまま次の人に使うということは医療の世界ではありえません。

道具の使いまわしをしない

隣で使っていた機材がそのままこっちに回ってきたらアウトです。あなた専用の新しい機材が出てこなければなりません。

血液や唾液は飛び散るものです。「この機械は使わなかったから使いまわしてOK」という考えは成り立ちません。

医療器具は高価なものが多く、使い捨て出来るものは一部です。

使い捨て出来ないものは「滅菌」してきれいな状態で出てきます。

歯科外来診療環境体制加算

緊急時の対応や感染対策についての準備ができていて地方厚生局に届けた施設は「歯科外来診療環境体制加算」をもらうことができます。

ほんの少し治療費が高くなりますが、加算のある施設で治療を受けたほうが安心でしょう。

ただし、施設基準を満たしていなくても感染対策ができていないというわけではありません。取るのがめんどくさい、緊急時の対応は隣の内科に応援頼みますので・・・等の理由で施設基準を満たしていないところもあるでしょう。

口コミ

原始的ですが、口コミは大事だと思います。

しかしネットの口コミは私怨等で書き込む人もいるでしょうから、あまり信用できません。

むしろ人気のある歯科医ほど、患者数が増えるためネガティブな口コミが増える場合もあります。

 

ご近所や同僚、親せきの口コミを聞いてお勧めの施設を受けたほうが安心だと思います。

病気がうつったかも?と思ったら



病気がうつったかも?と思ったら、病院を受診することを考えましょう。

特に体調がひどい場合は、必ず受診しましょう。

 

(特に症状が無いけど心配・・・という場合の検査は保険適応外になってしまうので費用が高くなる場合があります。)

忙しかったり病院に知り合いがいたりして行きにくい方は郵送による匿名検査も可能ですぞ。
ふじメディカルさんなら横浜市登録の検査所で、匿名で多項目の検査ができますぞ。

たぬきの感想とまとめ

昔は少なかった感染症も現在では多くなっております。

にも関わらず、日本の医療業界の感染対策は諸外国と比べて遅れておりますぞ。

 

歯科に関しては、知識のある歯科医師は感染対策の重要性を理解し十分なコストもかけておるようですが、一方で知識不足や資金不足で感染対策をできない歯科医師も多いようです。

 

前の患者が風俗嬢とかなら、手袋を使いまわされたら梅毒をもらって帰るようなこともあるでしょうな。無実の罪で性感染症にかかって結婚が破談になったカップルも世の中に一組か二組くらいはあるかもしれませんのぅ。

健康関連の記事は定期的に更新しています。一応たぬきんぐはお医者さんですぞ。

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