健康

日本はアメリカの7倍胃癌になりやすい。ピロリ菌と胃癌の話

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たぬきんぐですじゃ。

 

日本人は胃がんで亡くなる方が多いですじゃ。国立がん研究センターのデータによると2016年度で29854人と、約3万人の方が亡くなっておられます。一方アメリカでは2017年度で10960人と予想されています。
アメリカの人口は日本の3倍近くですので、計算すると日本人は約7倍胃がんになりやすい。

なぜなのか、説明しますぞ。

胃がんの原因(リスクファクター)とは



胃がんになりやすくなる原因として考えられているのは

ヘリコバクター・ピロリ菌の感染
喫煙
食塩の多量摂取

が特に大きな影響があると考えられております。イカの塩辛ばかり食べるヘビースモーカーなんかは胃がんになりやすいでしょう。

しかしアメリカ人だって(日本人ほどではないですが)タバコは吸いますし、現代の日本人とアメリカ人の食塩量もそこまで大きな差はありません。

そこで、喫煙や食塩以外の原因として最近研究がどんどん進んでいるのがヘリコバクター・ピロリ菌なのですじゃ。

ヘリコバクター・ピロリ菌とは

ヘリコバクター・ピロリ菌というのは、胃の中に住んでいる細菌です。なぜ感染するかはわかっておりませんが、衛生環境が悪い方がかかりやすいようです。日本では高齢者は7割ほど、若い人でも2割程度は保菌していると考えられています。

このピロリ菌に感染している方が慢性胃炎や胃潰瘍と言った病気になりやすく、さらに胃がんになりやすくなります。除菌することで胃がんの発生率を下げることができると考えられています。(ただし除菌しても発生する場合はあるのでピロリ菌感染が分かったら定期的な検査を受けたほうがいいようです。)

日本人のピロリ菌は悪いらしい

ピロリ菌というのはアメリカ人もそれなりに持っていますので、ここまでの説明では日本人に胃がんが多い理由が説明できません。
実はピロリ菌にもいろいろな種類があります。犬にもドーベルマンやチャウチャウがいるのと同じように、ピロリ菌もパワフルな奴と大したことない奴がいるわけです。

2017年9月に発表された論文(Hayashi, Takeru, et al. “Differential Mechanisms for SHP2 Binding and Activation Are Exploited by Geographically Distinct Helicobacter pylori CagA Oncoproteins.” Cell reports 20.12 (2017): 2876-2890.)によると、東アジアのピロリ菌はかなり悪い奴のようですな。

日本や韓国などの東アジア諸国はピロリ菌が悪質なためにアメリカなどと比べて胃がんになりやすいと考えられます。

ちなみに日本人の中でも沖縄の人は胃がんになる確率が低く、本土と型の違うピロリ菌を持っているケースがあるようです。沖縄の人は食塩摂取量も少ないので本州と比べるとかなり胃がんになりにくいようです。

ピロリ菌はやっつけられるの?

ピロリ菌は抗生物質2種類とPPIと呼ばれる胃薬を組み合わせた3剤併用療法で除菌するのが一般的ですじゃ。成功率は7~8割程度らしいので、うまく行かなかった場合は別の薬を使って再チャレンジします。この辺りは担当医にお任せでいいでしょう。真面目に飲むことが大切ですじゃ。

ピロリ菌の検査方法は?

内視鏡検査(胃カメラ)を使った検査とそれ以外の検査に分けることができます。

胃が痛いなど症状があれば内科を受診して保険適応で内視鏡検査をしてもらうのがいいでしょう。
症状がなければ健診で内視鏡検査をしてもらうか、最近ではABC分類(ABC健診)という血液検査でリスクを調べる方法もあります。

疑わしくない場合は保険診療では検査ができないので健診になってしまう(少し値段が高い)ので注意が必要です。

症状が無いし病院に行くのが手間で面倒だという人は検査キットを使って検査所で調べてもらう方法もあります。ふじメディカルの便中へリコバクターピロリ抗原検査でもピロリ菌の有無を調べることができます。ここでピロリ菌陽性だったら症状が無くても消化器内科に相談に行った方がいいでしょう。

たぬきのまとめ

胃がんは若い人でもかかりやすいので注意が必要です。

お腹の調子が悪いのに市販の胃薬でいつも様子を見ている方、要注意ですぞ。胃がいつも荒れているなら、それはピロリ菌の可能性が高いですぞ。