たぬきんぐですじゃ。
最近あまりニュースで見なくなりましたが、エイズという病気を聞いたことのある方は多いでしょう。
HIVウイルスというウイルスで感染する病気ですが、日本では増え続けています。
一般の方にわかりやすいよう解説いたしますぞ。
目次
HIVウイルス・エイズ(AIDs)とは?
HIVウイルスというのは悪さをするウイルスの名前です。
これが体に入るとコッソリと体の中で増え続け、大体5~10年後に症状が出てきます。
(感染した時に症状が出ることもありますが、数日でおさまるため気づきにくい。)
徐々に体を守る「免疫力」が落ちていき、カビや細菌による病気にかかりやすくなったり神経や脳が弱ったりします。
こういった症状が出てきたときにAIDs(後天性免疫不全症候群・エイズ)と呼ばれるようになります。
HIVウイルスには治療薬がある
現代の医療では
・HIVウイルスを完全にやっつける
・HIVウイルスからワクチンで体を守る
といったようなことはできません。
しかしHIVウイルスを抑え込むことのできる薬があるため、きちんと薬を飲み続ければ一般人と変わらないくらいの余命を過ごすことができます。
値段こそ高いですが、HIVの薬を続ければエイズになるのを防ぐことはできるのです。
そのため以前のように死の病として恐れられることはなくなってきました。
日本ではどんどん増えている!海外の病気ではない
厚生労働省の平成28年エイズ発生動向年表からデータを引用してグラフを作っています。
データは日本国籍の方のみのものです。外国籍の患者はデータに含んでいません。

2010年頃からは横ばいですが、日本では毎年HIVの患者が出てきています。
この人たちは治ることはないので、患者数は毎年どんどん増えてきています。
現在は判明しているだけでも1万5千人以上の患者がいると考えられます。実際には検査をしていない患者もいますので、2~3万人はいると考えたほうがいいでしょう。
日本に多い”いきなりエイズ”という怖い状況

上の図は日本で発症した日本国籍のエイズ患者の数です。
数百人の患者が毎年出ています。
きちんと薬を飲み続ければエイズを発症することは少ないのです。
しかし国内ではHIV感染症という状況があまり知られていないため、検査をしないままコッソリとウイルスが体の中で増えるというケースが多いのです。
検査で感染をわかっていれば発症しなかったのに・・・というパターンが多いわけです。
HIVウイルスの検査
一般的に行われる検査は抗体検査という検査です。たまにNAT検査という新しい検査を受けられるところもあります。
HIVウイルスが体に入ると、人体は一応HIVと戦おうとします。HIVと戦うための抗体が血の中にあることがわかれば、HIVにかかっていることがわかるというわけです。
戦うために抗体を作りはじめた時点では検査では抗体が見つかりません。
そのため感染してからすぐに検査をしても正しい検査結果は出ません。
一般的には感染した可能性があるときから1カ月以上あけてから検査をするべきで、検査結果でわかるようになるまで3カ月程度かかる場合もあります。
検査は全国ほとんどの保健所で受けられます。無料・匿名なので心配なら受けましょう。
医療機関でも受けられる場合がありますが、こちらは有料になります。
友達が保健所で働いている等、いろいろ事情のある方は郵送の検査キット(ふじメディカル
など)もあります。
HIVは診断・治療が大事なので心配なときは必ず検査を受けましょう。
HIVウイルスの感染経路と予防
感染経路
HIVの感染経路はいくつかありますが、重要なものは以下のようなものです。
・性交渉(同性間・異性間)
・針刺し事故・注射器の使いまわし
・母子感染
上にあげたもの以外にも感染経路はありますが(輸血、カミソリなど)滅多にないので割愛します。
また、日本は薬物中毒が少ないのでお薬関連の感染者はすくないです。
そのため一般人が気を付けるべきなのは性交渉と母子感染です。特に性交渉がほとんどなので注意が必要です。
母子感染と感染予防
母親がHIVに感染している場合、出産や授乳でうつる可能性があります。
抗ウイルス薬の投与など、専門的な治療が必要なのでHIVに感染していて出産を計画している場合は対応できる病院を探しましょう。
性交渉と感染予防と治療の話
性交渉で感染するケースは異性間と同性間の2パターンがあります。

データによるとHIV感染者の7割が同性間の性交渉です。3割が異性間。
どちらでも感染するということをまず知っておきましょう。
感染予防の方法
感染予防において重要なのは
コンドーム
です。
HIVは
・性器と性器
・性器と口
の2パターンが主な感染経路になります。これをコンドームでブロックすることでかなりの感染を防ぐことができます。
コンドームはただの避妊道具ではないのです。
破けたりするとうつることもありますし、漏れた液からうつったりもしますので絶対安全ではありませんが、相当確率を減らすことができることを知っておきましょう。
もちろん不特定多数と性交するのはリスクが増えますので理解しておきましょう。
治療の話
先ほどの図をもう1度。

HIVは同性間のほうが多いですが、エイズの発症数は異性間のほうが多くなっています。
因果関係はわかりませんが、おそらく同性間で性交をしている人のほうが感染リスクを理解して検査しているのではないでしょうか。
HIVは同性間でもかかります。
「もう自分はかかってるから無敵」などと言って次々うつしまくる人も稀にいますので、注意しましょう。
たぬきのまとめ
HIVの予防と検査は非常に大切ですぞ。エイズは恐ろしいですじゃ!
予防はコンドーム!
あと不特定多数と性交渉するのもリスクが大きく増えます。ステディな関係のほうがいいということですのぅ。
検査は保健所が無料なので一番お得ですぞ。顔見知りで行けない・・・などの理由がある方は自宅で性感染症検査セットを使う方法もありますぞ。
健康関連の記事は定期的に更新しています。一応たぬきんぐはお医者さんですぞ。