健康

過呼吸(過換気症候群)は油断してはいけない。死亡例も?

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過換気症候群という病気があります。
緊張や精神的不安などで息をしすぎる(過呼吸)ことによって、様々な症状が出てくるのです。
学校や家、職場で怒られることによって起きるケースも多いようです。

特に合併症なく治るケースがほとんどなのですが、重症例もあるので油断してはいけません。

過呼吸のあとに重症化する例も



先日、田舎の小さな病院で当直バイトをしていたときのことです。

部活動で過呼吸を起こした女の子が救急車で運ばれてきたのですが、過呼吸がおさまったあと呼吸が止まってしまったのです。
その後アンビューバッグという器具を使った治療で症状は改善したのですが、ただの過換気のはずがどんどん顔が青ざめていく事態に少し焦りました。

ツイートしたところ、同じような患者さんを診た先生も多いようで反響がありました。


他にいくつか引用リツイートもしていただきました。
興味を持っていただいた学校の先生方や医療関係の方々にリツイートしていただき、広い範囲に注意喚起することができました。
皆様ありがとうございます!

無呼吸や死亡例も・・・?

リツイートされた方の中には、友人の家族が過呼吸後に亡くなったという話をしておられた方もいました。

2013年の神戸市立医療センター西市民病院の論文によりますと、過換気症候群の5.6%に過呼吸がおさまった後の無呼吸症状が出たそうです。大倉隆介, and 小縣正明. “救急外来における過換気症候群の臨床的検討.” 日本救急医学会雑誌 24.10 (2013): 837-846.
海外の文献では死亡した例もあるという報告もあるそうです。
もちろん適切な治療をすれば死亡することは滅多にないですが、油断をすると危険です。

職場や学校で過呼吸を起こした人がいた場合、「過換気症候群だから、放っておいて大丈夫」などと言って放っておくと、無呼吸でそのまま・・・ということも十分あり得ます。

意外と知られていないペーパーバッグの危険性

「過換気症候群は、ペーパーバッグで治療すればいいんだろ?」という昔の常識には注意が必要です。

ペーパーバッグによって酸素不足になり窒息したケースもあります。
後述しますが、他の呼吸器の病気だったとき、ペーパーバッグは重症化します。
呼吸器の病気で息苦しいときに、安易に紙袋かぶせたりなんかしたら…マズいですよね?

というわけで、現代では過呼吸にペーパーバッグを使うのはやめたほうがいいという考えが一般的です。
日本呼吸器学会日本医師会の記事でもペーパーバッグの危険性について書かれていますが、かつては常識的な治療だっただけにペーパーバッグを行う人は意外と多いです。
地域によっては救急救命士がペーパーバッグを使うところも残っています。

昔過呼吸でペーパーバッグを使っていた方は、最近は常識が変わったのだということを知っていただけたらありがたいです。

過呼吸=過換気症候群ではない。他の病気かも?

過呼吸という言葉と過換気症候群という病気は似ていますが、イコールではありません。

過呼吸という言葉はおそらく皆様のイメージに近いと思います。必要以上にゼーハーと息を吸ったり吐いたり(換気)して呼吸の量が多くなるのが過呼吸です。

そして、不安などで呼吸が多くなってしまう病気が過換気症候群。

過換気症候群は過呼吸によって起こるのですが、過呼吸になっているからといって過換気症候群とは限らないのです。

その過呼吸、ホントに大丈夫?

過呼吸を起こす病気はいろいろあります。

「心筋梗塞で痛い…苦しい…」
「喘息発作で苦しい…息ができない…」
「ギラン・バレー症候群にかかってしまった」

などなど、様々な原因で過呼吸になることがあるのです。

その過呼吸、実は喘息発作かも…?

(ギラン・バレー症候群についての関連記事:鳥刺しを食べるリスクと健康被害

たぬきんぐのまとめ

というわけで、
・過換気症候群のあと呼吸が止まることがある
・ペーパーバッグはやめましょう
・過呼吸は他の重大な病気のこともある

の3点について書かせていただきました。

危険を感じたら救急車を呼んだほうがいいというのが個人的な意見です。
大丈夫だろうという安易な素人判断は危険な場合もあります。