捏造論文の世界記録保持者は日本人だという残念な話

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たぬきんぐですじゃ。

先日友人に、医療系トリビア記事を書いたらどうかと言われて思いだした話ですじゃ。

医療系の人間なら知ってる人は知ってる話ですが、世間ではあまり知られておりません。

というわけで早速。

撤回論文(捏造論文)の世界記録を見てみましょう。

捏造論文や撤回論文の記録を調べている海外のサイト、リトラクション・ウォッチというところでデータを見てみました。2015年という少し古い記録ですが、これを破られたという話は聞いたことがないのでおそらくそのままでしょう。

Retraction Watch よりデータを引用

一位は断トツの183本、東邦大学麻酔科の准教授として活躍(?)していた藤井善隆氏です。何気にコピーしましたが5位も日本人っぽい名前ですな・・・。

データを揃えて論文を書いて、医学雑誌に投稿して・・・という手順ははっきり言って非常に面倒くさいのですじゃ。ほとんどの論文は英語なので書くのは非常に骨が折れますし、文法的な問題がないかネイティブの方にチェックしてもらわないといけません。

投稿した後も「査読」と言って雑誌の担当の専門家に論文がまともかどうかチェックしてもらわないといけませんし、内容が正しくても「雑誌の格」に満たない論文は落とされたりします。

論文を183本も書く熱意というのはなかなか大したものだなと思うのですが、偽物ばかりだとは・・・。

捏造論文の何が悪いのか

偽論文で不当に偉くなるとか、そういった小さな話ではありません。

医者や研究者は過去の論文のデータを元に治療や研究を行うので、偽論文が溢れると治療が歪んでしまうのですじゃ。

183本の捏造論文でどうなったのか

藤井氏は麻酔科の中でも吐き気止めの薬を研究(?)していた研究者だったのです。

彼の研究が世に出る前、使いやすい吐き気止めとして人気のあったメトクロプラミド(プリンペラン)という薬。これが藤井氏の数々の論文のデータを信じると

「どうやらこの薬役立たずだ。効かないぞ・・・」

ということになったのですじゃ。

とはいえ体感的に明らかに効くので、ベテランの医師ほど

「そうはいっても副作用少ないし経験上は効くし使うよ」という傾向がありました。

一方でデータやエビデンスを信じる中堅の医師は

「エビデンスを理解しない老害w」「若手諸君はああなっちゃダメよ」

と言う人もいたんだとか。

そして発覚後



当たり前ですが捏造論文が大量にあったということがわかると、それを抜きにしたデータが必要になってくるのですじゃ。

Systemic metoclopramide to prevent postoperative nausea and vomiting: a meta-analysis without Fujii’s studies.

というタイトルの論文は【without Fujii】というタイトルの通り、183本の論文を抜きにして調べなおしたもの。そして役立たずとされていたメトクロプラミドは無事頼りになる吐き気止めとして復権を果たしたということですじゃ。

吐き気に悩む患者で、本来使われるべき薬が使われなかったケースも多かったのでしょうなあ。

たぬきの考えとまとめ

 科学の世界も、案外ぼんやりしたものなのですじゃ。専門家が書いた論文を専門家でない人間が見破るのは非常に難しい。

治療も研究も、誠実であってほしいものですのぅ。それにこういうところで日本人の名前がトップになるのはなんだか少し悲しいですじゃ。

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